#子どもの最貧国 #日本 #山野良一
こんにちは!renananaこと、伶奈(れな)です。
今日ご紹介する本は、山野良一さんの「子どもの最貧国・日本」です!!
本書の中で重要な主張、研究により証明されたことをサクッと紹介します♪
【貧困の文化論・ルイス】
貧困の文化の中で育った人の心理的特徴。
・自我が弱い
・疎外感や絶望感、劣等感を持ちやすい
・現在の楽しみのみを志向し、将来に対する備えをしない
・衝動性のコントロールに欠ける
・権威主義への強い志向
・依存性の高さ
・怠け癖
→「ケーキの切れない非行少年」と似たような心理的特徴を持っていることが明らかになった。
この「貧困の文化論」は、貧困の世代間連鎖を考えるうえでも重要であるとしている。
“ひとたびそれ(貧困の文化)が産み出されると、子どもたちへの影響により世代から世代へと存続していくことになる。スラムの子供たちは、たいてい6,7歳には、これらの文化の基本的な価値と態度が染み込んでおり、その後の一生に起こり得る変転する情況や増大する機会を充分に活用するだけの心理的な柔軟さを失っている”
…なんということでしょう。
成長して青年期や大人になっても幼児期に染みついた習慣や文化がぬけず、貧困から抜け出すためのあらゆる機会や新たな情況を受け入れることが心理的にできなくなってしまうというのです。
これは非常に絶望的であると同時に、いかに幼少期の生活環境や文化、習慣が大切であるのか教えてくれます。
【Understanding and Working with Students and Adults from Poverty】
この論文では、中流階級と貧困階級の子どもたちや大人たちの間では、彼らがそれに基づいて行動し思考している(その階級に隠された)ルールが違うことを強調している。
【算数学力を規定する要因】
上記の表より、社会的低階層の子どもたちと社会的高階層の子どもたちの間には、学力獲得にあたってスタート時点における“家庭背景”という明らかな差があることがわかる。
社会的低階層の子どもたちが同じ学力レベルに到達するためには、より多くの努力を必要としていることが証明された。
さらにこの表からわかることは、以前から言われていることでもあるが、子どもの学力との相関性が高いのは「父親の職業」よりも「母親の学歴」のほうであり、その比は2倍以上となる。(この研究では父親の職業は統計的に有意ではないとされる)
現在は共働きの時代であるが、子どもと過ごす時間はまだまだ母親のほうが長く、母親自身の教育に対する価値観や考え方が、教育環境・家庭環境に大きな影響を及ぼすと考えられる。
結果的に、子どもの学力に一番影響を与えているのは「世帯所得」となった。
「受験塾への通塾」や「学校外教育費支出」も一定以上の相関性が見られるが、世帯所得が高くなければこれらの支出を増やすことはできない。
【身体への影響】
アメリカの研究では、貧困な家庭の子どもほど“鉄分の欠乏”が起きやすいことがわかっている。
鉄分の欠乏は、神経細胞間で情報の受け渡しをするドーパミンなどの神経伝達物質の分泌や髄鞘(ずいしょう)の形成などに影響を及ぼし、乳児期に鉄分不足であった子どもは、その後に鉄分を補う治療を行っても運動機能に遅れが目立つ。不安感や集中力の欠如を持ちやすいとされる。
【貧困と虐待を減らすために求められることと、まとめ】
虐待や学歴の世代間連鎖や、世帯収入との相関性が明らかにされただけでは何も変わりません。各家庭や親を責めるだけでは何も変わらないのです。
今後は、このような状況に置かれた家庭を救うべく、生活支援に対してもっと税金を使い、大きな社会的コストを払い、今までのシステムややり方を全面的に変えていかなければなりません!!
そうでもしない限り、貧困・虐待を防ぐことができないばかりか貧困層拡大に加担することにもなりかねないのです。。
早急に、改革的な新たな対策を講じることが求められています。
renanana.com/れなブログ